2014年3月28日金曜日

丸鶏料理あれこれランチ。といっても、目的は叉骨ダウジングですが…

 鳥の叉骨。WishBone。これは鳥の胸の真ん中にあるV字型の骨。人間や動物たちにはない。翼ある者達だけが持つ叉骨。と書くだけで、叉骨には、なにやら、翼との関連を思わせるような神秘性があるような気がする。
 
・ 人間を含めた一部の動物は、叉骨の代わりに鎖骨を持っている。が、これは左右に分かれており、V字型ではない。
 人間たちには翼がないから飛ぶことはできない。でも、腕があるから、木登りができるし、手に何かを握ることもできる。

・ 鳥の翼は、人間では腕にあたる。鳥は翼で空を飛ぶことができるけれど、腕はないので、何かを握ったり抱くことはできない。
 鳥の叉骨は、左右の鎖骨が癒着してV字型になったと考えられている。鳥は恐竜から進化した生き物だが、叉骨を持つことのできなかった恐竜たちは鳥に進化できなかった、という説がある。

・ 獣(人間と一部の動物たち以外の動物)には、叉骨はもちろんのこと、鎖骨もない。従って、飛ぶこともできず、木に登ることもできない。腕は足のように、地を走るために使われるのみである。
 
 …となると、天使には叉骨はあるのだろうか。ペガサスはどうだろう?などと考えてみたくもなるが、キマイラは、進化の歴史から外れた生き物だから、除外するとして。でも、始祖鳥だったら、きっと叉骨はあるはず。となると、鳳凰もあるんだろう、叉骨。はてさて、どんな叉骨なのか。
 
 
 伝承魔術では、叉骨の使い方は、おもに2種類ある。

1・叉骨の両側に、2人がそれぞれ、小指をかけて、せーの、で引っ張り合う。骨がポキッと折れた時に、大きいほうの骨を手にした人は幸運。願い事を唱えると叶う、というもの。いわば運試しのゲームね。これが一般的。聞くところによれば、クリスマスやバースディパーティーの伝統的な余興だという。お骨折り、お疲れ様。
 
2・叉骨を、家の戸口、あるいは壁にかけておくと幸運が舞い込む。未婚の女性が戸口にかけたなら、結婚できる、というもの。あるいは安産のお守り。珍しいものをインテリアとしてお守りにする、というような意味合いなのだろうか。鶏は卵をたくさん産むから、安産とか結婚のお守りにはふさわしいのかも知れない。左右の鎖骨が癒着してV字型になった形にも、なにやら縁結びや癒合の力があるように感じられるのだろうか。
 
 だいたい、翼持つものは天意のメッセンジャー。鳥がとまったところ、鳥が飛び立った時、鳥が鳴いた方角。それらによって、人々は未来を占ってきた。屋根に黒い鳥がとまったら凶兆、白い鳥が舞ったら吉兆、などなど。
 
 ローマの建国者であるロムルス(Romulus、紀元前717年生)は、双子の弟のレムスと、どちらが王国の支配者にふさわしいかを決めるために鳥占いをする。それぞれが城壁を築くにふさわしいと考える丘に、祭壇を用意し、神意を問うたのである。まず先に、レムスが用意した祭壇には、鷲が6羽舞い降りた。後にロムルスの祭壇には12羽の鷲が舞い降りた。先に舞い降りたほうか?それとも数が多いほうか? なかなか難しい判定であり、結局、判定はできなかったのだが、鳥の行動イコール神託という構造であることは確かだろう。
 
 鳥に穀物をついばませるという占いもあり、これは中世ヨーロッパでも密かに行われていたらしい。キリスト教圏では占いは原則禁止ですから、魔女的にですけどね。26個の穀物を円に並べ、アルファベットに対応させ、鳥がどの穀物をついばむかによって占うというもの。他の象意に対応させてもよく、数は適宜変化し、もちろん人物に対応させてもよい。知りたいことはニワトリちゃんが教えてくれる、というもの・・・。でも、ニワトリに結婚相手を選んでもらうのって、ちょっとどうなのよ、とは思うわ。
 
 鶏どうしを戦わせる闘鶏は、もともとが戦の勝敗を占う鳥占いであった。これは、平家物語にも登場し、源氏と平家の運命を決める重要な役割を果たしている。
 
 
 さて、丸ごとローストしたチキンやターキーが食卓に上った時などは、叉骨を取り出す絶好の機会。が、叉骨って、細くて脆いので、乱暴に捌くと、壊れてしまって、わからなくなってしまう。脆くて珍しい。これも叉骨の神秘性を高める要因なのだろう。
 ペキンダックにも、叉骨はあると思うけど…。雉は?鴨は?などと、あれこれ考えてはみるものの、ペキンダックは予算の関係で無理そうだし、丸鴨、丸雉に至っては、入手方法がよくわからず。
 たまにケンタッキーフライドチキンに入った時や、鶏ガラを買った時などに、叉骨を探してみたけれど、やはりよくわからない。
 
 ええい、しかたないので丸鶏買ってみた。大きさにもよるが、私が購入したのは定価1600円…が3割引になったところを狙って。「あら、ローストチキンとか作るんですか?」と、顔見知りのレジのお姉さんに聞かれました。「え、あ、はい、まあ、そうね、時々。」とか、曖昧に答える私。叉骨が目的なんですよ、なんて本当のことは答えられないじゃないですか。

で、丸鶏、料理開始!

 当初はオーブンに入れて焼こうかと思ったんですが・・・わりと大きく、オーブンに入らず、蒸し鶏にすることに。ただ、腿を外して焼くというのはアリだったかも知れません。
 ローストチキンは、皮がおいしいのですが、あのぱりぱりの皮を作るには、塩を適当に擦り付けて、まず干します。皮が乾燥してから、油を塗って焼く。理想的には、半日ベランダで天日干しですが、冷蔵庫の中で、1日半ぐらい乾燥させてもOKです。とにかく、乾かしてから焼く。蒸すときにも同様で、まずは塩を擦りこみ、表面を乾燥させてから。そうすると、肉の水っぽさも消えます。塩は、肉の水分を吸収し、なおかつ肉を硬く絞める効果があります。

鶏皮が苦手という人は多いようですが、それは調理方法によります。私は、鶏皮は、なるべく外します。干してから、から揚げにすると美味しい。油で揚げる、ただそれだけで、鶏皮ってこんなに美味しいのか、と思います。コラーゲン、もちろんたっぷりですから。
  ペキンダックって、皮を食べる料理です。皮に水飴を塗って焼く。水飴を塗る前にはやはり乾かすのです。もちろん、鶏皮でも、似たようなものは作れます。

胸肉は、ぱさぱさしておいしくないとかって言いますけれど、蒸せばチキンハムが作れるんですよ。茹でるとぱさぱさになってしまって美味しくないんです。
 蒸すのは強火で、30分位はしっかりと、中まで火を通す。蒸したチキンは、冷めてから薄く切る。切れるナイフで本当に、薄~く。薄切りのオニオンとマスタードで、まずはサラダに。パンと、少々のクレソンかパセリがあれば、それで十分です。
 中華バージョンがお好きな人は、花巻きパンに、バンバンジーソース、キュウリかレタス、ウーロン茶でどうぞ。つまり、蒸し鶏は、パンと少々の野菜があれば、食卓が整います。前日に蒸して、冷えたら冷蔵庫に入れておけば、料理は簡単。

 丸鶏からは、もちろん、スープも取れます。蒸し器に溜まったスープを、スープストックに。冷えると固まり、冷たいスープジュレになります。
 
 と、ランチメニューのことはこれぐらいにしておいて。
 
 …叉骨の形からすると、ダウジングに使えるのではないか、と私は思ったわけです。V字型の両端を軽く持って、ダウジングロッドにできるんじゃなかろうか、と。…とりあえずやってはみますが、なんかコツが必要かも知れませんね。骨だけに。
 鳥の叉骨とダウジング。ダウザーの堤裕司氏に、鳥の叉骨でダウジングするという話はありませんか?と伺ってみました。それは聞いたことがない、というお返事をいただきました。ダウジングの専門家がそうおっしゃるのですから、これはやはり難しいのでしょうけれど…。う~ん、いかにもダウジングに適した形のようにみえるんですけど…? 
 
 楔形にもみえる叉骨を投げ、その尖った先で占う…というようなバリエーションも、もしかしたらアリかもと、叉骨の形を眺めているだけで、さらなる想像が羽ばたいてきたりもしますが。ああ、空想家の頭の中には、きっと、想像の叉骨があるに違いなく。

 ヨーロッパでは(おもにラテンの国、イタリア、フランスあたりの文化圏)、叉骨の形を模したアクセサリーを幸運のお守りとして売っているのを見かけるといいます。まあ、肉屋の店先で魔術用の叉骨を売っていたりは…しないでしょうけれど。                   (秋月さやか)




2014年2月13日木曜日

「六韜」をお茶請けに、義仲殿とお茶する気分…二十一夜を偲びながら

 「六韜」は武経七書のひとつで、太公望ゆかりの兵法書。太公望が、文王とその子の武王、2代に教えた兵法のテキストである。
 文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜。の6巻から成る。…昔、私は「六韜」(りくとう)とは、六種類の餡子が入っているお菓子の名前に違いないと思いこんでいた…。白いんげん、黒ごま、抹茶、柚子、桜、栗きんとん! 
 しかし、「六餡」ではなく「六韜」なんです。が、「韜」とは、武器を入れる袋を意味する言葉だという。袋。となると、竜餡とか虎餡の入った最中のようなもの…を、やっぱり私は連想してしまうわけですが。

 などと言ったら、きっと、木曽義仲は大笑いするだろう。「そうか、犬餡があるなら、猫餡もあるよの、きっと、わはは!」と。
 とにかく。「六韜」は、兵法の基礎。武経七書のひとつ。武家はこれを覚えなくてはならず、「試験に出ますよ、これ」というわけですね。もちろん、義仲も、元服した頃から、覚明について武経七書を学んでいたはずで。
 
 
 義仲の父、義賢は、義朝(頼朝の父)の弟にあたる。だから、頼朝や義経と義仲は従兄弟同士なわけだ。しかし、義賢は、あろうことか、兄の義朝に討たれてしまう。実際に手を下したのは義朝の息子、頼朝や義経の兄にあたる義平。

 ああ~、歴史は、似たような名前の人がたくさん登場して、覚えにくいことはなはだしい。しかも、名前を間違えると大変なことになるのですよ。
 昔から、仲間内の争いが絶えない源一族。とはいえ、この同士討ちは、後白河法皇のさしがねであったらしい。後白河法皇は、日本史上、稀に見る悪人だと私は思う。同士討ちをさせれば、いずれその一族は滅ぶことを計算していたのだろう。
 
 木曽義仲、生年月日が不明。それは、母親の身分が低かったから。幼名は駒王丸。父の義賢が討たれた時、2歳。木曽の山中に逃亡し、中原兼遠の手によって育てられる。平家物語の中では、野卑で下品と描かれるが、髪麗しく、色白く、なかなかの豪傑美男子だったようである。たぶん、義経よりも、ず~っと美男だったと思われる。

 以仁王の令旨によって挙兵、叔父の行家と共に戦い、倶利伽羅峠で勝利して上洛。朝日将軍と称された。でも結局、後白河法皇とそりが合わなかった。政治も苦手だったようである。以仁王の遺児である北陸宮を次期天皇に、という願いは卜の結果、却下され、水島の戦いでは大敗北。ああ、きっと、義仲は、占いが大嫌いだったろうと思う。

 1184年旧一月十五日には自らを征東大将軍に任命させたものの、後白河法皇が呼び寄せた頼朝軍(源範頼・義経の軍勢)により、粟津の戦いで討ち死に。三十一歳。1184年旧暦一月二十一日のことだ。(グレゴリオ暦では3月5日)。新・平家物語では、陽が落ちる頃、矢に射られて、命を落としたと描かれる。戦いが終わって暗くなった野には、夜半過ぎ、ようやく下弦近くの月が昇り始めたに違いない。
 
 この年の旧暦元旦は、グレゴリオ暦の2/12ぐらい。立春、約1週間後の旧暦新年となる。宮中では新年の行事なども行われたようであったが、巷では、年明けの祝いなど無理だっただろう。都には食料が乏しかった。義仲の軍勢が、豪快に都の食料を食い尽くしてしまったから。
 義仲が自らを征東大将軍に任命させた一月十五日は、小豆入りの望粥ぐらいはふるまわれたのだろうか。粥卜は行われたのであろうか。とにかく、それから1週間後に、義仲は討たれるのである。
 
 
 さて、と。お茶です、そう。お茶の話。
 お茶が日本にやってきたのは805年で、貴族や僧侶しか飲めない高級品だった。眠気覚ましの薬のようなものだったらしい。当時のお茶は、粉茶を乾燥させてかちかちに固めたようなもので、これを湯に溶かして飲んでいたという。都に入った義仲は、当然、お茶を飲んだはず。茶の湯が確立されるのはもうしばらく先なので、茶筅や茶室はまだなく、窮屈なお点前もない! 
 
 お茶請けといえば…。真っ先に小豆が思い浮かぶものの、小豆餡の入った饅頭や羊羹は、鎌倉時代に入ってから作られるようになったものなので、まだ登場していない。が、麦粉と蜜を混ぜたような干菓子はあったのかも知れない。揚げ餅に蜜を絡めた「あられ」もきっとあったろう。揚げ菓子の代表は「ぶと」である。「ぶと」は、春日大社の神饌。米粉を蒸して餅とし、ごま油で揚げたもの。奈良時代から作られている菓子で、その製法は唐から渡ってきたという。
 新・平家物語の中で、客人のもてなしに登場したのは柿だが、干し柿は、昔も今も、貴重なお茶請け菓子の代表といっていいだろう。
 
 せめて、義仲が、後白河法皇とお茶でも楽しんでいれば、貴族社会に馴染むこともできたのではなかろうか。型破りな連歌のひとつぐらい、詠んでいれば…。

 いや、どんなに義仲が剛の者であっても、魑魅魍魎には勝てなかったということだ。都に潜む魑魅魍魎の正体は、権力欲であり特権階級の利権である。そのような欲望が取り付いて、人をも魑魅魍魎に変えてしまう。昔も今も、人の世は、何も変わってはいない。
 義仲が所望したという関白藤原基房の姫君(新・平家物語では冬姫という名で登場)もまた、ある意味、妖怪変化ではなかったのだろうか。かつて頼政が退治したという鵺の化身だったとしても、まったくおかしくはない話である。都はかように怖いところだ。   (秋月さやか)




2014年2月5日水曜日

ママ、僕はいったい誰の子なの? 清盛よ、アイデンティティ・クライシスを越えろ!

 平家物語は、正確には平家VS源氏物語と名付けるべきなのだろうが、主人公が清盛ですから、まあ、平家物語なのでしょうね。
 
 清盛の生家は貧しかった、というところから、吉川・新平家物語のお話ははじまる。貧乏な家には客の出入りもあまりなく、庭の手入れもされておらず、だから草がぼうぼうに生える。それを貧乏草と呼んでいたということで、なんと、吉川・新平家物語、第1話のタイトルは「貧乏草」! 
 
 
 しかし、ないものは金と地位だけではなかったのでした。第2話では、さらなる衝撃的の事実が語られるのであります。
 忠盛の妻、泰子は、白河の君の愛妾であったが、八坂の悪僧と密通したために、お宿下がりを申し渡され、忠盛の妻となった、その時、すでに清盛を身籠っていた、と。(注・これは、吉川・新平家物語の解釈です。)
 
 清盛、驚愕。父であると思っていた忠盛は父ではなかった。それどころか、自分が誰の子であるのか、それさえも判然としない。白河の君の御落胤か?それとも、八坂の悪僧の子か? アイデンティティ・クライシス。ママ、僕、誰の子なの? と、母の泰子に問い詰めるも、泰子、笑って答えず。

 清盛は母親の泰子を女狐とののしり、そして泰子は家を出て行く。はい、家庭崩壊です。金がない、地位がない、そして、家庭崩壊。とまあ、新・平家物語は、そんなめちゃくちゃな状態からスタートするのです。大河ドラマの画面が埃っぽいとか、見え難いとか、なんかそんな話もあったようですが、そんな生易しいお話ではありませんよ。(注・私はまだ観ていません。)
 
 清盛の出自についてですが、歴史的に、母親も生年月日も判然としません。清盛の命式とかホロスコープを作成しようとして調べた方もいるでしょうが、わからなかったはずです。資料がないんですから。
 これは、清盛の生母が、身分の高い女性ではなかった、ということを物語っています。歴史には、祇園女御(白河法皇の愛妾)の妹、あるいは侍女が清盛の母であるという説が有力で、生母は清盛が2歳ぐらいの時に亡くなっている可能性が高い、というあたりでしょう。そして、当時から、清盛の白河法皇御落胤説はあったようです。
 
 清盛の父の忠盛はというと、とにかく子沢山。清盛の母を含めても、おそらく、3人ぐらいの女性を妻としているようです。歴史的に、そのあたりが判然としないというのは、やはり、貧しい生活に嫌気がさして、妻が家を出て行ってしまったのか、それとも、当時の家族関係とは、まあ、そんなものだったのか。
 
 
 とにかく、吉川・新平家物語によれば…。
 父が遺伝子上の父ではない、とわかっても、「父上、わたくしの父上」と、清盛は忠盛に呼びかけ、「おお、父と呼んでくれるか!」と、忠盛、涙。親子が泣きながら手を取り合う、という筋書き。おおお、泣けますね、これは。
 
 おっとこれ、平安時代末期のお話なんですよね。今なら、間違いなく、遺伝子検査対象でしょうか。まあ、白河の君のスキャンダルは、日常茶飯事のことなので、特に問題にはならないとしても、です。
 
 さて、清盛、旧暦十二月、平治の乱を熊野で知り、都へ戻ることを決意。
 そして熊野別当から手向けにと渡された蜜柑(非時香実、ひじくのかぐのみ)を手に取る。蜜柑の中の種は、地上にばら撒かれれば、芽が出る。芽が出るかでないかは、その種次第。どの蜜柑の種だったかなどと問われるわけもなく、そんなことに囚われる必要もない。それは天の意思のようなものであって、人が決めるわけではない。己が誰の子であっても、自分は自分である、と決意して、都に向かう場面が描かれるのでした。
 そう、人の出自とは遺伝子だけで決まるわけではありません。遺伝子はもちろん大切ですが…。

参考文献:新平家物語

※ 写真は、神奈川、下曽我地域の梅畑にての風景。蜜柑畑もあります。



2014年1月28日火曜日

立春の野に出でて若菜摘む頃、若菜は芹の一草粥

 太陰太陽暦の年は、立春前後の朔から。というわけで、立春前に元旦がやってくる年もあるのですが、立春を過ぎてからの朔で、新たな年がはじまることもあります。

 立春は年のはじまりの目安ではありますが、それは、節気暦(太陽暦)でのこと。なので、立春と、旧暦朔の元旦と、どちらが本当の正月かと聞かれることがあるのですが、どちらも年初ということにはなるでしょう。
 立春は、年の気が改まるというような言い方をしますし、元旦朔は、年が新たになる、そんな言い方をする人もいますが、まあ、いずれにしろ、ややこしいです。年初は二回あり、その片方が立春、もう片方が朔だ、ぐらいに覚えておくとよいのではないでしょうか。

 とにかく、立春の頃になれば、冬も終わり、春が来るであろう予感がそろそろ。
 実際、日出の時間が少し早くなってきますし、日没の時間が延びたことも実感するようになる時期です。植物は春の訪れの準備を始め、寒さの中でも木の芽が少し膨らんできているのがわかるでしょう。春の七草もようやく露地物でいただくことができそうです。

 旧暦一月七日というのは、立春前後と思っていればまちがいなく、万葉の頃、立春の野に出て、若菜を摘んで粥に入れて食べた、これが日本における七草粥の古い形のようです。若菜はおもに芹。宮中行事では、若菜摘は大切な行事でした。

 ※ 「君がため 春の野に出て 若菜摘む…」この歌は、愛しい人のために若菜を摘んでいるのではなく、大君(皇)のために宮中行事として若菜を摘んでいる歌ですが、ここでいう若菜とは、芹のことだったのではないかという説が有力です。

 そう、芹だけの一草粥でよかったのですね。

 その後、中国の暦が入ってきて、1月7日の「人日」という行事を行うようになるのですが、そのあたりで、七種類の菜を入れるようになっていったようです。七種類の穀物を入れた粥だった時代もあります。せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」が春の七草。
 すずな(蕪)、すずしろ(大根)は、日本古来の植物ではなく、大陸から渡ってきた植物。それ以外は、野や道端に生えている草。

 大根は、芹とともに、雪をかぶっても生える青菜です。冬二重宝する野菜。だから大根の葉っぱと芹ぐらい入っていれば、二草粥ということで、いいのではないかと思えますが。、

 あとは、そのあたりに生えているはこべをちょいと摘んで。
 小松菜は、七草のメンバーではありませんが、まあ、入れてもいいのではないかな、と。しかし、ネギはダメです。あれは若菜じゃないからね。

 江戸時代には、町角に七草売りが出たという話が文献には書かれています。江戸の郊外で、はこべを摘んで、売りに来る、ちょっとお小遣い稼ぎのバイトです。「はこべら」は、どこにでも生える野草だったというわけで、この前、港区の公園の片隅に生えている緑のものをみましたら、なんだかはこべの葉っぱみたいで、ちょっと感動モノでありました。

 さて、江戸時代の七草の風習を紹介しましょう。(といっても、私は実際に見たことはないんですが、この風習は明治時代までは行われていたようで、祖母の話や、文献を織り交ぜると、たぶんこんなふうだったろう、ということ。)

 まず、七種類の菜を揃える。次に、台所用品を7つ並べる。まな板、包丁、菜箸(あるいは火箸)、桶、ひしゃく、しゃもじ。すりこぎ。…すりこぎは、もうあまり見かけなくなってしまいましたが、すり鉢とセットで使うもの。ささら、薪割り!などが加わる場合もあります。
 桶の上にまな板を載せ、まな板を、各種道具で叩きながら、お囃子を歌う、と文献にはあります。

「七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地に渡らぬ先に 七草祝いを カチカチカチ」
 
 これはいったいどういう意味なのか? 
 一説には、唐土の鳥とは、春先に流行る伝染病を意味しており、病除けの歌であるといいます。渡り鳥が渡ってくる頃に流行る伝染病。春先のインフルエンザでしょうかね。

 また、古くは鳥追いの意味があったようです。
 野鳥は農耕の敵。植えた種を、片っ端から穿り返して食べてしまう、出たばかりの菜をつっついてしまう。
 農村では、台所道具ではなく、農耕作業の道具で、家の壁を叩きながら歌っていた地方もあったといいます。それが、いつしか台所道具になっていった、ということかも知れません。

 江戸のような都会では、鳥害はなかったでしょうが、きっと、鼠追いの意味が込められていたのではないだろうか、などと想像してみたりします。

 ・・・いや、鳥害、最近はあるんですよね。カラス、鳩。そう、立春過ぎると、鳥たちの繁殖期がはじまるのでした。                                  (秋月さやか)
 





2013年12月16日月曜日

安眠を妨げないお茶は…カフェインレス。というわけで、ノンカフェインの専門店ビオイッシモで扱っておられるお茶!

 私、ノンカフェインのお茶も、ずいぶんと試してみました。安眠用に、です。が、味が薄かったり、苦かったり青臭かったり。まあ、漢方薬に比べればかなり美味しいのですが。
 紅茶とのブレンドティーにすれば、お味はよくなりますが、それじゃノンカフェインにならないでしょ、ということで。本当にいろいろと試したのです。
 チコリコーヒーは、まあまあOKでしたが、どこのメーカーが作っているのかによります。お茶は嗜好品です。そうです、美味しいものを飲みたいんです。安眠に効くからと飲んではみたものの、やっぱり、紅茶で口直し、なんていうこともありましたので。
 
 と、いろいろと探していましたら、なんと、ノンカフェインの大麦コーヒーがあるというではないですか。しかも、試供品をいただけるというではありませんか! 
 ということで。さっそくいただきまして、試してみました。商品名、販売店情報は以下です。

 「商品名 オルゾ・モンド・ビオ(大麦焙煎飲料)」
 原材料:大麦(古来裸麦・モンド種)原産国:イタリア
 
マスターオーガニックコーディネーターの
イタリアオーガニック専門店「ビオイッシモ」

www.bioissimo.jp
〒106-0047 
東京都港区南麻布4-12-25
南麻布セントレ2F
TEL: 03-5752-5133 
FAX: 03-6701-7311 
お問い合わせ: info@bioissimo.jp


 お味ですが、大変美味しいです。私、美味しいお茶はこれまでにもたくさん飲んできました。お茶にはうるさいほうですが、これは美味しいです。
 が、コーヒー味を期待した方は、ちょっとがっかりなさるかも知れません。代用コーヒーとしては、たんぽぽコーヒー、チコリコーヒーのほうが、苦味が強く、コーヒーに近いようです。冷やしてみましたら、苦味が強くなって、コーヒー度が増しました。コーヒーの代用としてお飲みになりたい方は、冷やしたほうがいいかと私は思いました。

 これは大麦焙煎ハーブティーです。しかし、大麦焙煎ティーとして、かなり美味しく、ほのかな甘みもあります。大麦焙煎というと、麦芽飲料を思い浮かべる方がいらっしゃるかも知れませんが、ああいった粉っぽい味ではなく、むしろ私は、紅茶のお味に近いといったほうがいいように思えました。ストレートで、じゅうぶんに美味しいです。
 
 もちろん、不眠に悩んでおられる方が、眠る前に何か飲みたいという時にもちょうどいいでしょう。ハーブティーは、ブレンドティーにすると美味しくなりますが、紅茶とのブレンドではノンカフェインにはなりません。そういった時に、ブレンドベースに使うのにもいいのではないでしょうか。個人的に、オレンジブロッサムとのブレンドがよさそうだと思えました。
 
 不眠症に悩む方々、これは、お試しいただく価値があると思いますので、ぜひ!


 ティーパック、10個入っています。まだ残っていまして、せっかくですから、次回の「睡眠と夢とα波測定セミナー」にいらしたみなさまに、ぜひ試飲していただこうと思います。次回の測定セミナー、どうぞお楽しみに!



2013年12月15日日曜日

深夜のカフェインは安眠にはNG! 不眠症に効くお茶ってありませんか?と聞かれることもあるのですが。

 ご近所のOさんが、よくお茶に誘ってくださるのだが、午後3時を過ぎると、彼女はお茶を飲まない。夕方になってからお茶を飲むと、夜、眠れなくなるというのである。もともと、お茶は修行僧たちが眠気を覚まして頭を冴えさせるために飲んだもの。そして、眠気を覚ます成分はお茶の中に含まれるカフェイン。
 ティータイムなのに、私だけがおかわりしながらお茶をいただくのは落ち着かないので、「ほうじ茶にしませんか?」と申し出ることにしている。(注・ほうじ茶は、緑茶に比べるとカフェインの含有量が少ないので。)
 
 Oさんほどではないが、深夜、コーヒーを飲むと眠れなくなるので気をつけている、という人たちも多い。だから夜はコーヒーじゃなく、ペットボトルの烏龍茶にしているという知人がいたのだが…。いや、烏龍茶もカフェインは入っていますので、それはあまり効果ないでしょうけどね。眠れない、眠れないと言いながら、コーラがぶ飲みもよくありません。眠れないのは当たり前ですよ、カフェイン摂っているんですから。
 
 不眠症の人は、まず眠る3時間前ぐらいからは、カフェイン摂取をやめましょう。カフェインは、頭を冴えさせるのです。午後3時からやめるほどではないにしても、深夜は控えて。食後のコーヒーはいいとしても、1杯だけ。徹夜仕事や締め切りが入っていない限り、その後はノンカフェイン飲料にしてください。
 
 ノンカフェイン、つまり、お茶、コーヒー、ココア、マテ茶、コーラ以外。となると、ハーブティー、ほうじ茶、麦茶など。ジュース、ミルク、酒、水も、カフェインは入っていません。深夜遅くまで起きている私は、何も飲まずというわけにはいかず、ミントティーとか、レモン水(レモンの皮を煮出したもの)とか、蜂蜜水を飲んでいます。ビールでもいいんだけど、私の場合、眠くなってしまうと物が書けませんから。コーヒーを飲めば、そりゃあ物は書けますよ、ちゃっちゃと。でも、その後、寝つきが悪くなるので…。
 
 そしてノンカフェインというだけでなく、安眠にいいお茶として、古くからの代表的なものを幾つか書いておきましょう。セージとラベンダーはお茶にして飲むというより、飲まないでそのまま香りを楽しむだけでも安眠効果はあるようです。アロマポットは面倒ですが、ティーカップなら簡単です。

→カモミール   小さな菊のような花をつけるハーブ。青林檎のような香りですが、残念ながら、ドライではこの香りが消えているものが多く、個人的にはフレッシュ(生)がおすすめです。リラックス効果があり、安眠のお茶。ピーターラビットに登場するので有名です。

→オトギリソウ  といっても、西洋オトギリソウ、セイントジョーンズワート。含まれているヒペリンシンが不眠症に効果があるとされます。夏至の頃に黄色い花を咲かせるオトギリソウですが、北極圏に近い地方では白夜。白夜に花を咲かせるオトギリソウに安眠の力があるなんて、ちょっと神秘的。

→バレリアン   不眠症に悩む人ならバレリアンという名前は当然ご存知でしょうか。カノコソウ。鎮静作用があり、民間薬としても売られています。独特の香りは化粧品の香料にも使われ、昔から異性を誘惑する力があると考えられていたそうで…。

→パッションフラワー   これ、かえって目が冴えちゃんじゃないか、となどと、名前からすると思ってしまうのですが。さにあらず。この花のお茶にはリラックス効果があるそうです。実のほうはというと、強壮剤に使われることもあるとかで、こちらは安眠とは無縁のようですが。

→リンデンフラワー  リンデン(西洋菩提樹)の甘く白い花を乾燥させたものです。その香りには、心配事を取り去り、心を穏やかにし、安眠をもたらす力があるといいます。でも、リンデンは、東洋の菩提樹とはまったく別の種類です。東洋の菩提樹が、無憂樹と呼ばれるので、混同しやすいのですが。

→セージ      イギリスでは古くからセージ茶が飲まれていたといいます。セージは、ソーセージに入っているアレ。セージの香りは、イライラを抑えてくれるのです。殺菌の力もあります。最近では、浄化に使われるので有名ですが。まあ、邪魔なものをすっきりさせれば安眠できますけどね。

→ラベンダー    ラベンダーの香りは、古代から、洗濯物の仕上げに使われました。殺菌、防臭効果があり、悪い虫を寄せ付けない。ある種の魔除け効果もあります。いらいらを鎮め、心を静かに落ち着かせてくれる香り。が、ブレンドティーにしたものはノンカフェインになりませんので注意。

→オレンジブロッサム   オレンジブロッサムだけでなく、オレンジの皮、レモンの皮も可。柑橘類の香りには、憂鬱を吹き払ってくれる力があります。くよくよと考え込んで欝になってしまって眠れない時にはぜひ! 気分が晴れれば安眠可。(個人的に)これはかなりおすすめです。

→蜂蜜    蜂蜜はお茶じゃないだろうって? でも、古代では蜂蜜を湯に溶かしたものが飲まれていました。蜂蜜は心を穏やかにします。たいていのハーブティーは、味が薄かったり、苦かったり青臭い味がしますので、蜂蜜を足して飲むことをおすすめします。

→たんぽぽの根    たんぽぽコーヒーです。夜、コーヒーを飲みたいという人のための代用品です。たんぽぽの根そのものに安眠効果があるというわけではありません。利尿効果があるので、トイレが近い人は、逆に安眠できないかも知れませんけど。



植物の葉とか根とか実とかの…薬湯。魔女の部屋にはこんな材料がたくさん並んでいそうで。

 カフェインを含まないお茶もあります。わかりやすくいうと、カフェインを含んでいる茶、コーヒー、マテ、そしてカカオ以外のものから作られたお茶がノンカフェイン茶です。
 植物の葉や根、花、茎などから作ったお茶。植物性の薬を煮出した薬湯といったほうがわかりやすいでしょう。その薬効や栄養成分に期待するものです。
 植物には、それぞれ効用があります。ですから、これらの効用(薬効)も知っておいたほうがいいでしょう。利尿作用があるとか、体を暖めるとか。体調によっては、飲んではいけないものもあります。薬湯なのですから。

 植物は、その成分を食べたり飲んで体の中に取り入れるだけでなく、燃やして煙として有効成分を空中に発散させたり、湯を注いだり暖めて、揮発成分を吸ったり、体に塗ったり触れさせて薬剤として使用することもあります。
 
 生の素材のまま、乾燥させる、あるいは炒るなどの加工方法もあります。乾燥させることで、保存しやすくなるだけでなく、日光にあてるなどで成分変化が起こる場合もあるのです。材料を炒ると、消毒になるだけでなく、こうばしい香りを引き出すことができます。大麦、とうもろこし、黒豆などです。その他、たんぽぽの根、チコリの根などを焙煎したものがあります。これを、たんぽぽコーヒー、チコリコーヒー、つまりコーヒーの代用として用いる人たちもいます。

→海草。    昆布を乾燥させて粉末にしたものが昆布茶。湯に溶かして。ミネラル成分豊富。お茶というよりスープですが、お茶に分類しますね、普通。

→キノコ。   たとえばレイシ、シイタケ。乾燥させて煎じる。まさに漢方薬。キノコは干すとうまみ成分が増すので、出汁にも使う食材ですが。

→木の枝、葉。 イチョウ、柿、リンデン、メグスリノキ。葉、枝、木皮を乾燥させたものを煎じて。薬になったり、スパイスにしたり。

→草、茎。   ミント、レモンバーム、セージ、スギナなど。生葉にお湯を注ぐ、あるいは乾燥させた葉や茎を煮出して。

→花、つぼみ。 マリーゴールド、紅花。ラベンダー、マーロウ、ローズ、ジャスミン。花びらなので色が美しく、目でも楽しめるお茶に。

→実、種、豆。  ローズヒップ、アニスシード、ベリー、黒豆、麦、米、とうもろこし、カルダモン。果実の皮のみを用いることもある。

→根。     たんぽぽ、チコリ、リコリス、人参などの根。根を乾燥させて粉にしたり、焙煎することもある。