2013年12月16日月曜日

安眠を妨げないお茶は…カフェインレス。というわけで、ノンカフェインの専門店ビオイッシモで扱っておられるお茶!

 私、ノンカフェインのお茶も、ずいぶんと試してみました。安眠用に、です。が、味が薄かったり、苦かったり青臭かったり。まあ、漢方薬に比べればかなり美味しいのですが。
 紅茶とのブレンドティーにすれば、お味はよくなりますが、それじゃノンカフェインにならないでしょ、ということで。本当にいろいろと試したのです。
 チコリコーヒーは、まあまあOKでしたが、どこのメーカーが作っているのかによります。お茶は嗜好品です。そうです、美味しいものを飲みたいんです。安眠に効くからと飲んではみたものの、やっぱり、紅茶で口直し、なんていうこともありましたので。
 
 と、いろいろと探していましたら、なんと、ノンカフェインの大麦コーヒーがあるというではないですか。しかも、試供品をいただけるというではありませんか! 
 ということで。さっそくいただきまして、試してみました。商品名、販売店情報は以下です。

 「商品名 オルゾ・モンド・ビオ(大麦焙煎飲料)」
 原材料:大麦(古来裸麦・モンド種)原産国:イタリア
 
マスターオーガニックコーディネーターの
イタリアオーガニック専門店「ビオイッシモ」

www.bioissimo.jp
〒106-0047 
東京都港区南麻布4-12-25
南麻布セントレ2F
TEL: 03-5752-5133 
FAX: 03-6701-7311 
お問い合わせ: info@bioissimo.jp


 お味ですが、大変美味しいです。私、美味しいお茶はこれまでにもたくさん飲んできました。お茶にはうるさいほうですが、これは美味しいです。
 が、コーヒー味を期待した方は、ちょっとがっかりなさるかも知れません。代用コーヒーとしては、たんぽぽコーヒー、チコリコーヒーのほうが、苦味が強く、コーヒーに近いようです。冷やしてみましたら、苦味が強くなって、コーヒー度が増しました。コーヒーの代用としてお飲みになりたい方は、冷やしたほうがいいかと私は思いました。

 これは大麦焙煎ハーブティーです。しかし、大麦焙煎ティーとして、かなり美味しく、ほのかな甘みもあります。大麦焙煎というと、麦芽飲料を思い浮かべる方がいらっしゃるかも知れませんが、ああいった粉っぽい味ではなく、むしろ私は、紅茶のお味に近いといったほうがいいように思えました。ストレートで、じゅうぶんに美味しいです。
 
 もちろん、不眠に悩んでおられる方が、眠る前に何か飲みたいという時にもちょうどいいでしょう。ハーブティーは、ブレンドティーにすると美味しくなりますが、紅茶とのブレンドではノンカフェインにはなりません。そういった時に、ブレンドベースに使うのにもいいのではないでしょうか。個人的に、オレンジブロッサムとのブレンドがよさそうだと思えました。
 
 不眠症に悩む方々、これは、お試しいただく価値があると思いますので、ぜひ!


 ティーパック、10個入っています。まだ残っていまして、せっかくですから、次回の「睡眠と夢とα波測定セミナー」にいらしたみなさまに、ぜひ試飲していただこうと思います。次回の測定セミナー、どうぞお楽しみに!



2013年12月15日日曜日

深夜のカフェインは安眠にはNG! 不眠症に効くお茶ってありませんか?と聞かれることもあるのですが。

 ご近所のOさんが、よくお茶に誘ってくださるのだが、午後3時を過ぎると、彼女はお茶を飲まない。夕方になってからお茶を飲むと、夜、眠れなくなるというのである。もともと、お茶は修行僧たちが眠気を覚まして頭を冴えさせるために飲んだもの。そして、眠気を覚ます成分はお茶の中に含まれるカフェイン。
 ティータイムなのに、私だけがおかわりしながらお茶をいただくのは落ち着かないので、「ほうじ茶にしませんか?」と申し出ることにしている。(注・ほうじ茶は、緑茶に比べるとカフェインの含有量が少ないので。)
 
 Oさんほどではないが、深夜、コーヒーを飲むと眠れなくなるので気をつけている、という人たちも多い。だから夜はコーヒーじゃなく、ペットボトルの烏龍茶にしているという知人がいたのだが…。いや、烏龍茶もカフェインは入っていますので、それはあまり効果ないでしょうけどね。眠れない、眠れないと言いながら、コーラがぶ飲みもよくありません。眠れないのは当たり前ですよ、カフェイン摂っているんですから。
 
 不眠症の人は、まず眠る3時間前ぐらいからは、カフェイン摂取をやめましょう。カフェインは、頭を冴えさせるのです。午後3時からやめるほどではないにしても、深夜は控えて。食後のコーヒーはいいとしても、1杯だけ。徹夜仕事や締め切りが入っていない限り、その後はノンカフェイン飲料にしてください。
 
 ノンカフェイン、つまり、お茶、コーヒー、ココア、マテ茶、コーラ以外。となると、ハーブティー、ほうじ茶、麦茶など。ジュース、ミルク、酒、水も、カフェインは入っていません。深夜遅くまで起きている私は、何も飲まずというわけにはいかず、ミントティーとか、レモン水(レモンの皮を煮出したもの)とか、蜂蜜水を飲んでいます。ビールでもいいんだけど、私の場合、眠くなってしまうと物が書けませんから。コーヒーを飲めば、そりゃあ物は書けますよ、ちゃっちゃと。でも、その後、寝つきが悪くなるので…。
 
 そしてノンカフェインというだけでなく、安眠にいいお茶として、古くからの代表的なものを幾つか書いておきましょう。セージとラベンダーはお茶にして飲むというより、飲まないでそのまま香りを楽しむだけでも安眠効果はあるようです。アロマポットは面倒ですが、ティーカップなら簡単です。

→カモミール   小さな菊のような花をつけるハーブ。青林檎のような香りですが、残念ながら、ドライではこの香りが消えているものが多く、個人的にはフレッシュ(生)がおすすめです。リラックス効果があり、安眠のお茶。ピーターラビットに登場するので有名です。

→オトギリソウ  といっても、西洋オトギリソウ、セイントジョーンズワート。含まれているヒペリンシンが不眠症に効果があるとされます。夏至の頃に黄色い花を咲かせるオトギリソウですが、北極圏に近い地方では白夜。白夜に花を咲かせるオトギリソウに安眠の力があるなんて、ちょっと神秘的。

→バレリアン   不眠症に悩む人ならバレリアンという名前は当然ご存知でしょうか。カノコソウ。鎮静作用があり、民間薬としても売られています。独特の香りは化粧品の香料にも使われ、昔から異性を誘惑する力があると考えられていたそうで…。

→パッションフラワー   これ、かえって目が冴えちゃんじゃないか、となどと、名前からすると思ってしまうのですが。さにあらず。この花のお茶にはリラックス効果があるそうです。実のほうはというと、強壮剤に使われることもあるとかで、こちらは安眠とは無縁のようですが。

→リンデンフラワー  リンデン(西洋菩提樹)の甘く白い花を乾燥させたものです。その香りには、心配事を取り去り、心を穏やかにし、安眠をもたらす力があるといいます。でも、リンデンは、東洋の菩提樹とはまったく別の種類です。東洋の菩提樹が、無憂樹と呼ばれるので、混同しやすいのですが。

→セージ      イギリスでは古くからセージ茶が飲まれていたといいます。セージは、ソーセージに入っているアレ。セージの香りは、イライラを抑えてくれるのです。殺菌の力もあります。最近では、浄化に使われるので有名ですが。まあ、邪魔なものをすっきりさせれば安眠できますけどね。

→ラベンダー    ラベンダーの香りは、古代から、洗濯物の仕上げに使われました。殺菌、防臭効果があり、悪い虫を寄せ付けない。ある種の魔除け効果もあります。いらいらを鎮め、心を静かに落ち着かせてくれる香り。が、ブレンドティーにしたものはノンカフェインになりませんので注意。

→オレンジブロッサム   オレンジブロッサムだけでなく、オレンジの皮、レモンの皮も可。柑橘類の香りには、憂鬱を吹き払ってくれる力があります。くよくよと考え込んで欝になってしまって眠れない時にはぜひ! 気分が晴れれば安眠可。(個人的に)これはかなりおすすめです。

→蜂蜜    蜂蜜はお茶じゃないだろうって? でも、古代では蜂蜜を湯に溶かしたものが飲まれていました。蜂蜜は心を穏やかにします。たいていのハーブティーは、味が薄かったり、苦かったり青臭い味がしますので、蜂蜜を足して飲むことをおすすめします。

→たんぽぽの根    たんぽぽコーヒーです。夜、コーヒーを飲みたいという人のための代用品です。たんぽぽの根そのものに安眠効果があるというわけではありません。利尿効果があるので、トイレが近い人は、逆に安眠できないかも知れませんけど。



植物の葉とか根とか実とかの…薬湯。魔女の部屋にはこんな材料がたくさん並んでいそうで。

 カフェインを含まないお茶もあります。わかりやすくいうと、カフェインを含んでいる茶、コーヒー、マテ、そしてカカオ以外のものから作られたお茶がノンカフェイン茶です。
 植物の葉や根、花、茎などから作ったお茶。植物性の薬を煮出した薬湯といったほうがわかりやすいでしょう。その薬効や栄養成分に期待するものです。
 植物には、それぞれ効用があります。ですから、これらの効用(薬効)も知っておいたほうがいいでしょう。利尿作用があるとか、体を暖めるとか。体調によっては、飲んではいけないものもあります。薬湯なのですから。

 植物は、その成分を食べたり飲んで体の中に取り入れるだけでなく、燃やして煙として有効成分を空中に発散させたり、湯を注いだり暖めて、揮発成分を吸ったり、体に塗ったり触れさせて薬剤として使用することもあります。
 
 生の素材のまま、乾燥させる、あるいは炒るなどの加工方法もあります。乾燥させることで、保存しやすくなるだけでなく、日光にあてるなどで成分変化が起こる場合もあるのです。材料を炒ると、消毒になるだけでなく、こうばしい香りを引き出すことができます。大麦、とうもろこし、黒豆などです。その他、たんぽぽの根、チコリの根などを焙煎したものがあります。これを、たんぽぽコーヒー、チコリコーヒー、つまりコーヒーの代用として用いる人たちもいます。

→海草。    昆布を乾燥させて粉末にしたものが昆布茶。湯に溶かして。ミネラル成分豊富。お茶というよりスープですが、お茶に分類しますね、普通。

→キノコ。   たとえばレイシ、シイタケ。乾燥させて煎じる。まさに漢方薬。キノコは干すとうまみ成分が増すので、出汁にも使う食材ですが。

→木の枝、葉。 イチョウ、柿、リンデン、メグスリノキ。葉、枝、木皮を乾燥させたものを煎じて。薬になったり、スパイスにしたり。

→草、茎。   ミント、レモンバーム、セージ、スギナなど。生葉にお湯を注ぐ、あるいは乾燥させた葉や茎を煮出して。

→花、つぼみ。 マリーゴールド、紅花。ラベンダー、マーロウ、ローズ、ジャスミン。花びらなので色が美しく、目でも楽しめるお茶に。

→実、種、豆。  ローズヒップ、アニスシード、ベリー、黒豆、麦、米、とうもろこし、カルダモン。果実の皮のみを用いることもある。

→根。     たんぽぽ、チコリ、リコリス、人参などの根。根を乾燥させて粉にしたり、焙煎することもある。


2013年12月13日金曜日

お茶とカフェイン。カフェインとセロトニンと、テアニンとα波?!

 喉の渇きを潤すだけなら水か湯で事足りるだろうに、しかし人はお茶を飲みたがる。お茶は、体への水分補給というより、心の潤いのためにあるのだろう。その薬効は、体だけではなく、心にも効くということ。

 ではお茶の効用は? 眠気覚まし。酔わせずにはっきりさせる。そう、ここが酒とはまったく異なるところなのですが、それはカフェインの効用です。そしてカフェインを含んでいる飲料の代表、茶(カメリア・シネンシス)、コーヒー、マテ。この3つ。

→ 茶(学名カメリア・シネンシス)、中国の奥地に生えていた茶の木です。カメリアというだけあって、椿の仲間。茶の花は、小さな白い椿みたい。
 その主成分はタンニン(ポリフェノール、カテキン)、カフェイン、テアニン(アミノ酸)。カフェインは、気分をさわやかにはっきりとさせます。カフェインは、日本茶だろうが、烏龍茶だろうが紅茶だろうが、茶という植物(学名カメリア・シネンシス)に含まれる成分なので、茶葉から作られた飲料にはすべてカフェインが含まれます。
 
→ コーヒー。エチオピアやアラビアには野生のコーヒーの木があったといいます、13世紀頃、シリアでコーヒー豆を炒るようになってから、飲料として広まったのだとか。正確には焙煎したコーヒー豆の抽出液。
 コーヒー豆にももちろんカフェインが含まれています。眠気を払い、しゃっきりとさせる飲み物。コーヒーのあの香りは、焙煎によって引き出されます。香りのないコーヒーは、まったくおいしくありません。コーヒーの魅力は、カフェイン+アロマ!
 
→ マテ。モチノキ科の木。その木の葉とか枝から作るのがマテ茶。南米では常飲されているようです。マテにももちろんカフェインが含まれています。あとは植物アルカロイドのマテインを含有。マテ茶は、緑茶のように蒸して作るものと、ロースト焙煎で作るものの2種類があるのだそうです。ローストして作られたマテ茶は、ほうじ茶のような味だという人もいます。苦いのですが、肉を食べた後などに飲むと口の中がさっぱりします。
 
 カフェインを摂ると、脳内トリプトファンが増加、そしてセロトニンが増加するという構造です。セロトニンは、記憶、睡眠、情緒に関連します。なるほど、であればお茶(カフェイン)は、かなりスピリチュアルな飲み物といえるのではないでしょうか。
 そしてテアニン(アミノ酸)を摂取すると、リラックスしてα波が出やすくなるという報告があるそうですが。遮光して栽培したお茶は、テアニンの含有量が多くなるのだとか。遮光して栽培…なるほど、抹茶は、α波がたくさん出るお茶ということなんですね。   (秋月さやか)


お茶は、お茶の葉から作る…いや、お茶の葉が入っていないものもお茶って言うんですけど。

 お茶って、いつ頃からあるんだろうと思いましたら、5000年ぐらい前からだとか。神農(中国の伝説の人物)が、「水は生のままではなく、煮沸して湯にし、安全にしてから飲むように」と人々に教えます。(ナントカの霊水みたいな泉の水は別として)、生水は危険です。人類は、水を沸かして飲むことができるようになったので、健康を保つことができたと考えてよいでしょう。
 とまあ、そんなある日のこと。神農が湯を沸かしていると、薪についていた葉が数枚、湯に入ってしまったのです。が、この湯を飲んだところ大変美味。その木の名前が茶だったので、茶葉の入った湯を茶と呼ぶようになったのだとか。(というより、その木の名前をそこで茶を名付けたのでしょう、きっと。)

 お茶の故郷は中国の奥地です。中国原産ですが、しかし、中国にしかなかったというわけではなく、日本にもかなり昔に茶の仲間が自生していたといいます。が、お茶の葉をお茶にする技術を確立したのは古代中国です。
 茶の葉を干したり炒って乾燥させることで、茶葉の保存や持ち運びもできるようになっていきます。古くは茶葉を蒸して乾燥させたものを、煮出して飲んだり、石臼で粉にして湯に溶かして飲んだのです。
 三国志の中で、劉備玄徳が、母のために大枚をはたいて高価なお茶を買うという場面があるのですが、お茶は、長生きの薬であり、高価で貴重な物の代表として登場します。お茶の葉の薬効は、頭を冴えさせ、若返りの力がある、万能漢方薬みたいなものだったのです。
 
 
 といっても、お茶にするのは茶葉だけではありませんでした。たとえば菊花。ややこしいのですが、お茶というのは、抽出液、湯汁のこと。薬効のある、あるいはよい香りなどの植物を煮たもの…薬湯です。
 正確には、お茶葉で抽出したなら茶葉湯で、それが本当のお茶。菊花の抽出液は、お茶の葉は入ってないんだから、菊花湯と書いたほうがわかりやすいような気がします。でも、お茶じゃないものが入ってる湯汁も、お茶と呼んでしまうので、やっぱり菊花茶なんですね。
 
 ということで。改めてお茶について書きましょう。お茶といえば、コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶、昆布茶、麦茶、マテ茶、ハーブ茶…。コーヒーはお茶じゃないでしょ、と言われるかも知れませんが、ここでいうお茶は、いわゆる喫茶としての飲み物を意味するものです。
 そういう意味では、ジュースもアルコールも、ミネラルウォーターも喫茶飲料に含まれますが、さすがにお茶とは呼びません。さて、嗜好飲料の中で、最も消費量が多いのは紅茶なのだそう。コーヒーの需要は紅茶よりも少ないなんて、意外でしょ? 世界で一番飲まれている飲料はお茶なんです。   (秋月さやか)



お茶の話。私の体内水分量のうち半分はお茶かもよ。つまり体の3分の1がお茶!  

 朝起きるとまずコーヒー。それでようやく目が覚める感じ。それから紅茶。あいまに緑茶。またコーヒー。…お茶を飲まないと、気分がすっきりしません。頭ボケまくりです。というわけで、お茶にはうるさいです、私。そして、ちょっと詳しいです。
 
 年上の友人だったR子さんにはスリランカの知人がいた。かつて、R子さんの経営していたレストランの元バイト君。なんと、彼の実家はホテルを経営しているのだそうである。
 「彼にスリランカの農園を紹介してもらってね…お茶を輸入してビジネスできないかしら?」とR子さんから相談されたことがある。輸入ビジネスについては、R子さんにはすでにイタリアの会社との実績があり、イタリアがスリランカになるだけよ、とR子さんは言う。

 うん、いけそうだ、と私も思った。で、半年間ぐらい本気でスリランカの茶農園について調べたことがあるのですよ。ティーインストラクターの資格をとる気になったR子さんと、ちょっと一緒に勉強を始めてもいたわけです。
 「教えてくれれば覚えるわ。記憶力はいいのよ、私!」と豪語したR子さんのために、私は図書館に通い、お茶関連の本を30冊ぐらい読みまくった。もともと私の専攻は食物栄養学なので、できない話ではない。そして、なにもお茶を栽培しようというわけではない。買い付けられればいいのである。
 
 午後3時、近所のデニーズにてティータイム。「あら、コーヒーでもいいのよ、私。ハワイのコーヒー、おいしいっていうじゃない?」と、すぐに話が脱線するR子さん。「ハワイに知り合いいるんですか?」「いないけどね…」「…。」「ねえ、ハワイってさあ…」「いないんですよね、知り合い。じゃあ、知り合いがいるスリランカを優先してください!」「わかったわよ…。で、なんだっけ?」「茶葉の大きさ。」「それが何か?」「試験に出るから。」「…?」「暗記!覚えるの。覚えてください。自力で。」
 
 とまあこんな感じで、そういう時のコーヒーはさすがにR子さんのおごりでした。白玉小豆もつける?ってR子さんは気を使ってくれましたが、私は本当にコーヒーだけでよかったの。
 R子さんと一緒にお茶を輸入するビジネスをやれば、安くお茶が飲めるだろう、それが私の目的でした。いいお茶を買い付けて、思う存分飲めたら!ああ、それこそ極楽だわ、天国だわ! 
 「まずスリランカに行こうよ。」と、R子さんは言う。元バイト君ちのホテルに泊めてもらうというのである。タダで。「タダっていうのは無理でしょ。」「そうかしら?大丈夫よ。」「…まず、基本ぐらいは勉強してからね。」
 …でも、R子さんは、突然、お星様になってしまったので、これは実現しなかったんですけどね。   (秋月さやか)

※ R子さんの店ではなく、その近所のイタリアンレストランの庭。庭を眺めがならお茶を飲む。至福の時間。この像の持ち主には撮影許可を取っていますよ、私