2013年12月13日金曜日

お茶は、お茶の葉から作る…いや、お茶の葉が入っていないものもお茶って言うんですけど。

 お茶って、いつ頃からあるんだろうと思いましたら、5000年ぐらい前からだとか。神農(中国の伝説の人物)が、「水は生のままではなく、煮沸して湯にし、安全にしてから飲むように」と人々に教えます。(ナントカの霊水みたいな泉の水は別として)、生水は危険です。人類は、水を沸かして飲むことができるようになったので、健康を保つことができたと考えてよいでしょう。
 とまあ、そんなある日のこと。神農が湯を沸かしていると、薪についていた葉が数枚、湯に入ってしまったのです。が、この湯を飲んだところ大変美味。その木の名前が茶だったので、茶葉の入った湯を茶と呼ぶようになったのだとか。(というより、その木の名前をそこで茶を名付けたのでしょう、きっと。)

 お茶の故郷は中国の奥地です。中国原産ですが、しかし、中国にしかなかったというわけではなく、日本にもかなり昔に茶の仲間が自生していたといいます。が、お茶の葉をお茶にする技術を確立したのは古代中国です。
 茶の葉を干したり炒って乾燥させることで、茶葉の保存や持ち運びもできるようになっていきます。古くは茶葉を蒸して乾燥させたものを、煮出して飲んだり、石臼で粉にして湯に溶かして飲んだのです。
 三国志の中で、劉備玄徳が、母のために大枚をはたいて高価なお茶を買うという場面があるのですが、お茶は、長生きの薬であり、高価で貴重な物の代表として登場します。お茶の葉の薬効は、頭を冴えさせ、若返りの力がある、万能漢方薬みたいなものだったのです。
 
 
 といっても、お茶にするのは茶葉だけではありませんでした。たとえば菊花。ややこしいのですが、お茶というのは、抽出液、湯汁のこと。薬効のある、あるいはよい香りなどの植物を煮たもの…薬湯です。
 正確には、お茶葉で抽出したなら茶葉湯で、それが本当のお茶。菊花の抽出液は、お茶の葉は入ってないんだから、菊花湯と書いたほうがわかりやすいような気がします。でも、お茶じゃないものが入ってる湯汁も、お茶と呼んでしまうので、やっぱり菊花茶なんですね。
 
 ということで。改めてお茶について書きましょう。お茶といえば、コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶、昆布茶、麦茶、マテ茶、ハーブ茶…。コーヒーはお茶じゃないでしょ、と言われるかも知れませんが、ここでいうお茶は、いわゆる喫茶としての飲み物を意味するものです。
 そういう意味では、ジュースもアルコールも、ミネラルウォーターも喫茶飲料に含まれますが、さすがにお茶とは呼びません。さて、嗜好飲料の中で、最も消費量が多いのは紅茶なのだそう。コーヒーの需要は紅茶よりも少ないなんて、意外でしょ? 世界で一番飲まれている飲料はお茶なんです。   (秋月さやか)



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