2013年10月15日火曜日

巌谷に滴る水は滾々と、山肌を伝って大河の源となる

 「土肥大椙」の碑は、道沿いに建っていますが、大杉は山中にありました。 
 それもかなり険しい山道で、足を滑らせたら谷底に滑落。なので、ここに行く時には、足元しっかりと固めてください。滑落した時の通信手段として、3G回線端末必携です。なぜなら、WiFiスポットはありませんので。そして、一人では行かないように。しかし、甲冑付けてこの斜面を逃げ延びるってのは・・・。
 
 大杉の洞に隠れた源頼朝ですが、そこからさらに下の岩屋へ。しとどの里と呼ばれる場所です。しとど…どういう意味なのかはわかりません。が、なんとなく、しとしと、水が滴っている岩屋だからなのか、と思うようなネーミングです。
 箱根の山に降った雨が染み出しているのです。水滴が集まって流れを作ります。まさにここは水の源流、源の地なのです。
 
 今では、しとどの里まで降りていく参道が作られているのですが、それでもかなり険しい。参道の降り口に、木の枝がたくさん並べてあります。杖代わりの木の枝です。つまり、杖を突いて降りたほうがいいぐらい険しいのです。
 
 しとどの里から下へ降りるとそこが湯河原の町。今でも登山道はいちおうあります。あることはあるのですが・・・。倒木だらけのあの細い道を行き来するのは、常人ではまず無理だと思われました。
 岩屋に隠れている頼朝一行のために、湯河原の土肥実平の屋敷からは女中が密かに食事を運んでいたといいます。それも、敵方の目につかないように、夜になってから。いのししも熊も、もしかしたら日本狼もいた時代ですよ・・・。

 湯河原、伊豆、箱根は、古来より山伏の修行場だったといいます。源氏勢力は、山伏たちを味方につけていたのでしょう。だから源頼朝は湯河原山中に逃れたのです。

※ しとどの里、岩屋に向かう途中

君をかくまいし大杉の 梢に渡る風の音を聞きたし 
千歳の時空を超えて聞きたしと願いつつ 天に向かいて耳澄ます



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